オッパイ or Noオッパイ

今回は多くの人にとってどうでもいいであろう

「オッパイ」育児のあれこれについて。(ふざけた記事ですいません。)

みなさん「カンボ」「カンミ」「コンゴウ」と言われてピンと来るだろうか。


ドラクエの呪文でも新しい野菜の名前でも無い。


「完(全)母(乳育児)」

「完(全)ミ(ルク育児)」

「混合(栄養育児)」

の略だ。


育児に関与したことがある人は知っていて

関与したことが無い人は知らないワードあるあるだと思う。


ちなみに私は子供が生まれるまで当然のごとく知らなかった。


まず、最初に断っておくと、

授乳については様々な理由(含、病気・感染症・薬の服用・体質等等)で、そもそも選択肢なくミルク育児の方、若しくは、自ら選択してミルク育児の方もいらっしゃり、

ミルク・母乳に関わらず育児でみなさん立派に育っているので

(何なら高度経済成長期には母乳よりミルクが大勢だった由、親御さん世代はミルク育ちの人も多いのでは。)

本記事は「どちらが良い」論争を主旨とするものではなく、

単なる私個人の経験話である点を付記させていただく。


***


まず、始まりは出産前の助産師さんとの面談。


助産師さんに「育児は母乳を考えてますか?」と聞かれて、

私は、「えーと、、、はい。できる限り。。」と答えた。


正直、

世の中のデキるママのようにプロコンを事前に勉強していたわけでなかったので、

例のカンボ・カンミ・コンゴウの三択であることも知らずに、

「牛のミルクより人のミルクで育てた方が良い気がするわね。。。」

「なんか母乳はいいって聞くし。。。」

という馬鹿っぽい漠然としたイメージで答えたのだった。


そのイメージは確かに正しい部分もあり、

母乳には免疫移転や母体の回復等、様々な効果があるようだが、

(尚、言われている効果には、科学的に論文等で論拠があるものも、「母乳神話」的な話で根拠レスに言われているものもあるので、注意が必要。)

一方で、「母乳を出すのは意外と大変なことだ」という点は全く想定外だった。


***


そもそもオッパイはどうやって出るのか。


妊娠によりホルモンの動きが活発化して乳腺が発達し、

それを堰き止めていた胎盤が出産により無くなることで母乳の分泌が始まる。


ただ、残念ながら乳腺が発達して作られたからと言って

自然に出て来るわけではなくて、

分泌の大きな役割を担うのは「赤ちゃんの吸う刺激」なのだ。


すなわち、吸えば吸うほど脳に刺激が伝わって、

それが号令となって必要な分の生産が行われ、分泌されるという構造になっている。


最初の助産師さんとの面談の結果

「このお母さんは完全母乳で育てたい」ラベルで認識された私は、

早速、出産直後から「頑張って赤ちゃんに四六時中吸ってもらって母乳を出す」

という「頻回授乳」なる、昼夜を問わないオッパイあげまくり攻撃を仕掛けるべく、指導を受けた。


が、これがまた、なかなかなんだか上手くいかないものである。


吸うのが下手、乳首の形が吸いにくい、乳首が傷ついて痛い、、、等

人によって色々初期トラブルはあるようだが、

私の場合は、単純になかなか出なかった。


新生児授乳室で、周りのお母さんたちの豊満なオッパイ達に気後れしつつ

(※オッパイの大きさと母乳の出は関係ありません。)

2−3時間ごとに果敢にオッパイ攻撃を仕掛けるも、


どうやら殆ど出ていないので、

数日で娘の体重はみるみる減っていき、

通常減っても良いラインを超えて、黄疸数値が上昇し、

黄色い目をしてお腹が空いて泣き続けるという非常に可哀想な姿になった。


最初は

「大丈夫、赤ちゃんの体重は最初は減るものだし、頑張って続ければ出るわよ!」

と励ましてくれた助産師さん達も、


ついに数値での判断により「少しミルク足します」と宣言、

それでも結局、飲めていない→排泄が少ない→体内循環していない→黄疸治らない

という悪循環により、娘は私と一緒に退院できず、数日居残り入院となった。


ちなみに、娘が可哀想すぎて、

(出なくて悲しい・情けない、ということに加えて、せめて最初から「母乳で」とか言わず「混合で」と言っておけば娘に負担をかけなかったのに、、と)

授乳室で一人、うるっと来てしまい、

あぁ、いけないいけない、、、と、そっと涙を拭ってしまったのだが、

翌日、授乳室でしくしく泣いているお母さんを目撃し、

「そうか、みんな大変だよね」と思って救われたりした。


***


そんなこんなで私の「完母」ジャーニーは最初から出鼻を挫かれたため、

早々に、何より「足りない」ことにビビってミルクに寄っ掛かりまくりの

「混合」育児を行うこととなった。


で、混合は混合なりに一所懸命あげて、途中母乳も量が増えたりしていたのだが、


ついに3ヶ月。


どうやらほとんど出なくなった。

(搾乳してみても、必要量150-200mlに対して、10mlもでていなかった。)


赤ちゃんには、生まれながらに吸い付く本能「吸啜反射」が備わっているので、

一応、差し出されたオッパイに食いついて吸おうとする。


が、

残念なお知らせは、

私のオッパイは出ていないからなのか、まずいからなのか、

近づけると娘がギャン泣きすることだ。


(オッパイをあげる)

ギャー!!!!!!!


(オッパイをおしゃぶりに変えてみる)

ちゅうちゅう。。。。


(おしゃぶりをオッパイに変えてみる)

ちゅ、、、う、、ギャー!!!!


(オッパイをおしゃぶりに変えてみる)

ちゅうちゅう。。。


(おしゃぶりをオッパイに変えてみる)

ち、、う、、、ギャーーー!!!


・・・なんでだよ!!


百歩譲って、オッパイが出てなかったとしても、

おしゃぶりなどというオッパイを真似た何も出てこない代物は良くて

本物のオッパイには泣くってどういうことだよ!!!


という、 お決まりの突っ込みルーティンを3−4時間ごとに繰り返し、

それはそれで赤ちゃんと二人のコメディタイムは楽しかったものの、


「吸うこと」すら拒否されることで更に出ない、、

という悪循環に陥った私は


ついに、


「・・・オッパイやめるか。。。」


と思い始めた。


(ちなみに、辞めたところで、

 私は普段からコーヒーもお酒も殆ど飲まないので

 「やったー!断乳だぜ!」という機運は全く無い。。)


***


辞めようかな(=完ミに移行)、、と悩み始めてから、

Google先生に聞いてあらゆるメリット・デメリットを調べ尽くし、

そりゃあ続ければ続けたで良いこともあるけれど、出ないという悩みである以上

すっぱりやめて完全ミルクの利点を教授するというのも有りだし、

最後はもう自己判断の問題だな、という納得がいったので、

参考人聴取ということで、家族にジャブを打ってみた。


ケース1)旦那@ミルクの時は積極的にあげてくれる


私 「もうオッパイ辞めようかな〜(同じことをうだうだ2週間くらい言い続ける)」

旦那「ん?まだ言ってるの?どっちの選択でもサポートするから、ブツブツ言ってないで決めたら。。。?」

私 (じーん。。。)


ケース2)実母@家が近いのでお世話になりっぱなし


私「もうオッパイ辞めようかな〜。」

母「まぁ、免疫の多い初乳はあげれたんだし、

  3ヶ月頑張ったんだったら良いんじゃない。」

私(あら、意外とあっさり。)

 「ところで、姉と私の時はいくつくらいまであげたの?」

母「・・・うーん、

  お姉ちゃんもあなたも、3ヶ月くらいまでかな(遠い目)」

私(・・・!! 母譲りの体質だったんか!!)


ケース3)姉@ドイツにて2歳の子育て中の先輩ママ


私「もうオッパイ辞めようかな〜。」

姉「まぁ、メリットデメリットあるよね。決めたならよいと思うよ。

  ドイツでは、大体みんな6ヶ月ですっぱり辞めるみたい。

  ただ、本意でないなら、桶谷式の〇〇助産院に行ってみるのも手かな。」


うーん、、、、

・・・本意なのか?


そう問われると・・・

まぁ、母乳でやりたい、と思ったわけだし、出るなら出るに越したことはないし、

何よりオッパイにしがみついて頑張って飲んでいた娘の姿が可愛かったから

もう一度くらいそれを見たい気もする・・・・


ということで、

勧められた桶谷式の助産院に行ってみた。


「桶谷式(乳房管理法)」とは、桶谷そとみさん(1913-2004)なる助産師さんが考案した、

痛くない母乳が出るようになるマッサージ法である。


痛くなくて、出るようになるだって?


そんなうまい話が・・・



・・・・ちゅうちゅう、ゴクゴク・・・



あるんかーーーーい!!  ← イマココ。


ということで、決して桶谷式の回し者では無いのだが、

マッサージで少しは出るようになったので、

少なくとも暫くは頑張って続けることにしました。。。


***


記事によると、2015年の厚労省の調査では

半数以上の人が母乳育児をしているらしい。

(時事ドットコムより)


みんなすごいなー・・・


きっと会社に復帰しているママとか、

母乳を維持するために、休憩時間にお手洗いで一所懸命搾乳したりしているんだろう。

(出社中あげられないことにより、出なくなる・詰まってしまうのを防ぐため)

想像するだけで涙ぐましいぜ。。


ということで、

母乳育児は意外と大変なことだとわかったので、

人知れず苦労しているかも知れない周りのお母さん達に

温かい視線をあげてください・・・


という話でした。


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