イアン・ブレマー氏とのディスカッション。日本のUs vs Them。


友人@Uzabaseのご厚意にて、

Eurasia Groupのイアン・ブレマー氏の来日時のSmall Discussion(Eurasia Group / News Picks “Next Generation Council Meeting”)に入れていただいた。


Eurasia Groupの地政学リスクをコンサルティング対象とするビジネスであるところも素晴らしいと思っているし、言わずもがなG-Zeroで日本でも有名になったイアン・ブレマー氏の発言はいつも面白いので注目している。


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先日出た本”Us vs Them, The Failure of Globalism(邦題:対立の世紀 グローバリズムの破綻)”のメインテーマとして、Globalism、すなわち自由貿易などに代表される所謂“西側”のリーダーたちが掲げてきたイデオロギーの失敗について語っているが、


今回面白かったのは、その破綻の原因ともいうべき


1) 労働者層の賃金低下

2) 移民流入を招いたオープンな国境 

3) アフガン等への派兵


が日本においては:


1) 高齢化による人手不足

2) 超限定的な移民政策 

3) 海外派兵しない軍隊 (正確には限定的任務においてのみ派遣されている自衛隊)


という特殊要因により、


地政学的に不安定な世界の中では”politically stable”である、

という稀なポジションにいるということだ。


詳細はそのうち記事になるであろうNews Picksや同氏の本をご参照いただきたいが、

そんな日本の特殊性を前提として、Technology、Diversity、Mediaといった切り口でディスカッションを聞くのは面白かった。 (唯一にして最大の後悔は自分が発言するチャンスを逃してしまったことだ。。。)


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その後のEurasia Groupのクライアントが集まっていたレセプションにて、

少し前のNewsPicksの男女半々・若手によるセッションとは打って変わって

見渡す限りのおじさま方↓(多分日本の経済を動かしているとても偉い方々)の波の中で、



Diversityのトピックの中で議論されていた

「リーダシップポジションにつく女性の少なさ」の話に思いを巡らせた。


「なぜ大企業の幹部に女性が少ないのか」


私は単純に「年功序列」が最大の問題だと改めて思う。


いくら女性の活躍を唱え、産休・育休など素晴らしい制度を整備したとしても、

それはライフイベントで辞めなくても仕事が続けられる、ということであって、

今の新卒採用メイン・年功序列の「大企業のシステム」中では、

私と同世代の女性が幹部になるまで、単純にあと20年かかる。

いくら優秀だったとしても、である。


私より上の世代は社会に出ている(会社に残っている)絶対数が少ない。


今回パネルにおられた村上由美子さんのようにビジネス界で活躍されているのは超・超・超一握りの超・超・超優秀な方(主に外資や起業家として勝ち抜かれた方々)のみである。


年功序列を続けている以上、今すぐに幹部を出すには、

「幹部適齢期」の超超超少ない人材プールから選ばざるを得ないし、

大企業内部では粗存在しないに等しい。


男女関係なく、まずやめるべきは「年功序列」だ。


女性幹部を増やすために女性だけが「女性だから」飛び級するシステムを作っても

真の意味での女性のリーダーが増えることにはならない。


男女・年齢関係なく実力主義で外部登用も含めてリーダーシップポジションを考えるべきだ。

日本は高齢化社会で若い人の声がどんどん小さくなる。


日本におけるUs vs Themは

「Older Generation vs Younger Generation」になるかもしれない。


「年」への囚われは、その対立を助長するものでしかない。


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日本についてブレマー氏が持っている感想は、

「Resilient」と「ほぼ男性しかMeetingに出てこない」という点だそうだ。


私の所属している会社始め、日本の大企業の社長等の幹部レベルと付き合いをされている氏には、ぜひそのMeetingの場でBreak the seniority system!と提案していただきたいものだ。


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