米国中間選挙:熱狂と祭りのあと。

昨日のビッグイベント、それは米国中間選挙。

今朝方見ていたニュースのキャスターが

「歴史的な選挙」

と何度も使っていたが、

色々な意味で歴史的だったことは間違いない。


「Divided States of America」


この言葉を見て、思わず唸ってしまった。


当然ながら、

政府関係者、現役Senator、キャンペーン・マネージャー等が多く在籍する

ケネディ・スクールにとって、この日は一大イベントだった。

選挙結果に加えて、そんなケネディ・スクールでの選挙の様子をお伝えしたい。


***


選挙の結果について。


色々なメディアが報じているので、

私が言うまでも無いとは思うが、大きな点を纏めると以下の通り。


1) 「分断」

• 結果として上院はトランプの共和党が過半数をキープ、下院はひっくり返って民主党が過半数を取得した。これで所謂「ねじれ」が発生。


• 民主党の「Blue Wave」が噂されていたが、実際に民主党は下院・州知事選ともに中西部産業地帯など奪還した。


• 一方、トランプは上院に資源を集中投下。トランプが戦略的に遊説した結果、議席を確保したことは注目に値する。下院では影響力を失ったものの、上院を優先することで、向かい風の中で最高裁判事の承認権など実利を取った格好。


• 「赤」と「青」、都市部と地方、北部と南部、、、あらゆる対立構造がハイライトされた。


2) 「はじめての」色々:


• 中間選挙としては初めて投票者は1億人を超え、異例の高い投票率だった。(大統領選挙の投票率は5-6割だが、中間選挙は概ね3-4割なので、今回の47.3%は歴史的高さ。)特に、若い世代、女性などの民主党支持層がはじめて選挙に行った。


• 異例の女性候補者・当選者の多さ。トランプやカバノーへの反発は女性候補を増やし、過去最大、25%程度の女性議員数になった。


• イスラム教の女性が初めて二人当選した。また、29歳の下院候補は最年少の女性議員となった。初めてアメリカ先住民族の女性が当選した。


• コロラドでは初めてゲイを公言する州知事が当選した。


3) 注目の戦い:


• 一番注目が高かった選挙区は上院のテキサス州。現職で大統領選にも出ていた共和党Ted Cruz氏が激戦の末、民主党でオバマ再来とも言われるBeto O’Rourke候補を破った。


• 結果的にはCruz氏が勝ったものの、伝統的に「赤い州」とされていたテキサスでここまで接戦となるのは異例。


• テキサス州の地方の小さな自治体では圧倒的にCruz支持であったが、大都市ではO’Rourke氏が健闘。伝統的な赤い州ではあるが、中南米などからの移民が多くを占めるようになってきたこともあり、変化がうかがえた。 


• O’Rourke氏は次の大統領選に出るのでは、と推測されている。


***


ケネディ・スクールでの様子について。


1)投票率を上げる。


とにかく今回の選挙戦、

ケネディ・スクール全体でテーマとしてあったのは、

「投票率を上げる」ことだった。

(背景には、トランプを止めるにはそれしかない、というリベラル側の目的もあったと思う。)


前回の中間選挙は、ケネディ・スクールの有権者のうち、

16%しか投票しなかったようだ。(公共政策の学校なのにそれもびっくり。。)


投票率を上げるために、


• 「Harvard Vote Challenge」としてYaleなど他の学校とも競争して上げる。


• 学長から投票を促すメールを出す。(自分の登録地に戻るなど、投票のために授業を休むことは許すとのメッセージ付き。)


• あらゆる場所・団体が「I Voted」や「Harvard Votes」などのシールやT-シャツ、バッヂを使って促す。


• 教授も授業の合間に「投票せよ」と言う。(今日のアジェンダ、として黒板に書いている教授も)


• 米国では投票には事前登録手続きが必要なため、煩雑な手続きを電子化したツールを紹介、学校として投票率をカウントして可視化する。


と、とにかく地道な投票率の引き上げが図られていた。

目標は90%だったが、恐らく今回は達成したのでは無いだろうか?


2) 選挙戦の手伝い


とてもびっくりしたのは、

クラスメートの女性達のWhatsAppグループ(LINEグループみたいなもの)では、


「今日5時から〇〇教室でPhone Bankingします!

あなたのNegotiationクラスで習得したスキルが試されるよ!」とか、

「地元周りします!集合!」とか、

「今週末、知事選が接戦予想されるジョージア州に行って

女性候補を手伝いに行きます!来る人?」


とかが普通に流れてくる。


Phone Bankingは、有権者に電話をかけまくって

民主党なりに投票してもらうことを説得するもの、

地元周りは、本当に民家にドアノックして投票を促すもの。


ジョージア州には、10人くらいのクラスメート達が

飛行機に乗って手伝いに出かけて行っていた。

(結果接戦の末みんなが応援していた黒人女性Abrams氏は敗れてしまったが。。)


アメリカの民主主義のダイナミズム、

そして、みんなのフットワークの軽い行動力にかなり驚いた。


2008年の大統領選でオバマが勝ったのは

ドアノックを徹底したのが大きいと聞いたので、


実際にそういった地道な活動は効果があると分かっているのだろうし、

ハーバード生=エリート面して批評するだけ、みたいなことが全く無く、


小さなことでも、自分ができることに関わって変えていく、

という姿勢には本当に感銘を受けた。

(今回は特に、どうにかトランプを止めたい、

というリベラルの皆さんの想いも強かったんだと思う。)


3) そして当日。


当日はとりあえずお祭りモードだった。

Forumという集会場所では飾り付けの風船やらビールやらが準備され、

6時以降はみんな友達同士で集まって騒ぎながら

選挙中継を見た。


***


アメリカの民主主義の根幹の選挙を目の当たりにして、

熱狂とお祭りを一緒に感じ、

色々な意味で、本当に勉強になる選挙だった。


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