政治家のダイバーシティで変わる景色?:エリザベス・ウォーレンの主張から。

日本は少し春めいてきたらしいが、

ボストンはまた雪が降ってます。

さて、時々、同級生の間で開催している

「新米ママ(2歳の子供までの母)のお茶会」。


会議室をとって、

コーヒーやマフィンを持ち寄って、お茶をするだけなのだが。


ケネディ・スクールの女子たちが集まるので

子育てに関する政策の話や、

最近友人たちが書いたOp-Edなどの話に花が咲く。


で、この日の話題は

大統領候補に名乗りをあげたエリザベス・ウォーレンが、

アメリカの保育園問題について、

国民が支払える程度に補助すべきだと主張した件


ちなみに、私も今月30万円近く払っているが、

アメリカの保育園は、

いわゆる日本でいう認可保育園のようなものは無く

国や自治体の補助が入っているわけではないので

べらぼうに高い。


例えば医療についても、

病院に誰でも安価にかかれる日本の皆保険と比べて

アメリカではObama Careが導入されるにあたって大論争だったが、


「小さな政府」や「資本主義的」の

(実質というより)イデオロギーが先行して政治的に前に進まないからか、

アメリカにおいて意外と包括的な福祉的の制度は進んでいない。


その状況にケネディ・スクールに通う多くの学生は

疑問や憤りを感じているようだ。


そして、今回の彼女の提案について、

もちろんその内容にも称賛が送られていたのだが、

面白いなーと思ったのは、

彼女の民主党・左派という政治的立ち位置は別として、


「女性の候補がいるだけでこれだけ政策が変わる、

って示されたのが嬉しい」


と友人たちが喜んでいたことだ。


Unconventional=非従来的な候補者、

例えば、女性、白人以外の人種、年齢、障がいを持った人、性的マイノリティの人、などの

今までの「政治家といえば白人のおじさま」という

従来、人々が「政治家ってこんな感じだよね」と思うような

カテゴリから外れた人が政治参加することで、

新たな視点が加えられる、と。


***


「非従来的な候補を増やす」ことを主張するのは

クオータ制(一定数を女性に割り当てるなど)に賛否両論があるように、

目標とする社会を実現するステップ・もしくは結果の一つであって、

それ自体が目的化するのは意味がない、

と思う人がいるかもしれない。


しかし、

ハーバード大学の行動経済学専門家である

イリス・ボネット教授は、


1993年にインドで実施された1/3を女性とするクオータ制は、

結果として、新しい施策をもたらすだけではなく、

集会で女性が積極的に発言するようになり、

女性たちが教育を続け、

若年結婚・出産が減ったりする効果があったことを示している。

(上記の動画で興味持った方は昨年邦訳された彼女の著書も非常に面白いので是非。)


昨今の中間選挙で女性が増えたアメリカ、

そして大統領選挙でも複数の女性候補が名乗りを上げていることで、


何が変わるのか楽しみだ。



***


ちなみに、先のクオータ制ように、

賛否両論ある政策について、

「こうなるかも」「こうなるに違いない」という想像で話すのではなくて、


効果があるかどうかを

こうやってちゃんと検証する(そして議論・修正する)ことが

非常に重要だと思う。


政策について効果測定をするのは非常に難しいことが多いが、

ランダム化比較試験といった手法など、

そこは興味あるテーマとして今期学んでいることの一つだ。


日本ではこの辺が相当に遅れていると感じるので、

というか、勤労統計の状況とか見ていると、

効果測定・エビデンスベース以前に統計の扱い方にも不安を覚えるが。。。


ケネディ・スクール大先輩の朝比奈さんの本件に関する寄稿には

200回くらい「イイね!」したい。


0コメント

  • 1000 / 1000